あのいまいましいブリッジは? 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
    --:-- | Top

メタリカの『メタル・ジャスティス』について

メタリカの『メタル・ジャスティス』のことについてでも。
ここのところメタリカを聴く率が高まっていまして、これは大好きなアルバムの一つなのであります。
メタリカの3D映画『スルー・ザ・ネヴァー』の公開も近いし、ライヴのベスト盤のようなサウンドトラック盤も発売されました。
もっともっとメタリカファンが増えそうで楽しいです。

この『メタル・ジャスティス』なる題名は邦題です。
おなじみの奇妙な邦題付け。この頃は恒例化しているようなものですので仕方ないですね。
原題は『...And Justice For All』
アルバム・ジャケットに描かれているのはギリシャ神話の法の女神「テミス」です。
テミス像は縄に縛られ、天秤はお金によって傾けられ、崩壊寸前。すごい皮肉ですね。
ライヴではステージセットとしてこしらえたテミス像が実際に崩壊するというパフォーマンスを見せました。

前作の『メタル・マスター』(原題は『Master of Puppets』)の発表後だいたい半年後にベースのクリフ・バートンが交通事故で亡くなりました。
『メタル・ジャスティス』は、その後任としてのジェイソン・ニューステッドを迎えて作られました。

評価としては、今は知らないけど発表時は否定意見も多かったそうです。
多くの理由はいまいち納得できないものでしたが、その一つに「ベースの音が聞こえない」というのがあります。
まことしやかに伝えられる噂としては「新任のジェイソンの嫌がらせのためにベース音を聞こえなくした」、と。
クリフが亡くなった後にメタリカはオーディションで新任ベーシストを募集しました。
結果的にジェイソンが合格するわけですが、クリフが亡くなり悲しみに暮れているメンバーを差し置いてジェイソンが大喜びしたことが原因だとか、なんとか。
この大喜びの件だって、嫌がらせでベース音を聞こえなくしたことだって、単なる根拠のない噂話に過ぎません。
ロック史にありがちな噂話……それを伝説と言おうが与太話と言おうがそれはまた置いといて。
しかしベース音がまったく聞こえないというわけではありません。
ジェイムズ・ヘットフィールドだってベースの件について訊かれて「聞こえてると思うけどなあ……」と曖昧な感じに答えているのです。
ジェイムズが聞こえてるつったら聞こえているのです。

本作は前作を踏襲しつつも叙情的でドラマチックな曲展開が群を抜いており、かっこ良くて気持ち良い気分になれます。
それが少々過剰的であるとする評価もありますね。
そしてさまざまな社会的なテーマの歌詞は、当時のメタルシーンでは珍しいものだったそうです。
この大胆な変化にファンの賛否は分かれますが、変化を恐れず常識に囚われない我が道を行くメタリカらしいアルバムであったとも言えます。

四曲目の『One』はメタリカの有名曲の一つ。
『ジョニーは戦場に行った』の映像を組み入れたシビアなPVも作られ話題になりました。
歌詞も映画にインスパイアされたものです。
映画の『ジョニーは戦場に行った』は砲弾によって手足をはじめ触覚を除く知覚をすべて奪われたジョニーの心の葛藤を描いています。
どう表現したらいいものか、映画の展開も唖然とするというか、果て無き救いの無さにどうしようもない気分にさせられました。
その話はまたおいおい……。
『One』の歌詞は映画を元に、自分が陥った過酷な現実に対する絶望、社会から断絶された完全なる孤独感などをテーマにしています。
バラード的な曲調からもそういった男の悲しき境遇が表現されているのです。
そして曲調は攻撃的な音へと変わり、曲は突如として終息する。これもまた唖然とするしかない。

『One』をはじめ『Blackened』や『Dyers Eve』ばかりフィーチャーされている感はありますが、いいえ大丈夫。
他の曲も素晴らしいものです。じっくり聴いてメタリカを感じよう。

『メタル・ジャスティス』が発表された翌年の1989年。
グラミー賞に「ハードロック/メタルパフォーマンス賞」が新設されます。
どのバンドが受賞されるか。
世の予想は「やっぱりメタリカだよなあ」だったのに何故か受賞されたのはジェスロ・タル。
授賞式にはブーイングが。巻き添え喰らったジェスロ・タルは災難といえば災難。
そしてまたその翌年にはハードロックとメタルは部門に分かれます。
メタリカは『メタル・ジャスティス』で最優秀メタル・パフォーマンス部門を受賞しました。
この流れがグラミー側の「帳尻合わせ」というか「取ってつけたような言い訳」っぽさが拭えない。

それはいいとして。
アルバムのチャートも最高六位まで上昇します。

多くのファンを戸惑わせた本作ですが――というよりメタリカはアルバムを出す度にファンを戸惑わせている気がする――結果的には大成功をおさめ、新しいスラッシュ様式の可能性も広げました。
そう考えるとメタリカはメタルシーンをリードする凄いバンドなのだなあとしみじみ。
しみじみと感じながらも熱い気持ちでアルバムを聴いています。

今日はこんなところで。


andjusticeforalldayo.jpg



※ジェイムズの「聞こえてると思うけどなあ……」の件は『メタリカ 不屈のヘヴィ・メタル・モンスター (文藝別冊/KAWADE夢ムック)』のP79にて。

    22:52 | Comment:2 | Top
 
Comment
 
 
奇妙な邦題といえばコルピクラーニも凄いですよね
  [URL][Edit]
2013.10.25 Fri 17:13 いずき  #a9LSzAx2
>いどくん

コルピクラーニは奇妙な邦題の代表格ですよね。
酒場でわっしょい、なんちゃらほい、というような……。
あまり変な邦題つけるのってどうなのかなーと疑問です。

コルピクラーニのCDは『Voice of Wilderness』というのを持ってます。
『Hunting Song』という曲を気に入りまして買いました。
お祭り騒ぎには持ってこいな楽しいアルバムです。
  [URL][Edit]






(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
 
 
プロフィール
 
 

いずき

Author:いずき
ミスカトニック大学で人類学を専攻している学生です。
這い寄る混沌に会いたい。

座右の銘:人生ライク・ア・ローリング・ストーン

ほしいもの:等身大ボイド人形

自慢できること:赤ん坊の頃のオルセン姉妹を見分けられること

好きな映画:タクシードライバー

好きなディーン:サムがピンチの時にいち早く駆けつけショットガンをぶっ放すディーン

嫌いなディーン:地獄日初日に拷問側にまわり生き生きとした目で拷問するディーン


ホームページ
http://perepe.uijin.com/

Twitter
https://twitter.com/Izu_Perepe

Tumblr
http://izuperepe.tumblr.com/







我が墓碑銘



心はいつだってハード・ロック少年でいたい

 
 
リンク
 
 
 
 
カレンダー
 
 
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
 
 
最新記事
 
 
 
 
カテゴリ
 
 
 
 
月別アーカイブ
 
 
 
 
最新コメント
 
 
 
 
カウンター
 
 
現在の閲覧者数:
 
 
ブロとも申請フォーム
 
 
 
 
検索フォーム
 
 
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。