あのいまいましいブリッジは? 

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最近読んだ本

『ダークゾーン』 貴志祐介(祥伝社)
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貴志作品にしては前作の『悪の教典』から短いインターバルで出された一冊。
序盤から僕は面食らってしまった。プロ棋士を目指す主人公の塚田たちは気がつくとわけのわからない異空間に置かれていて、全員赤いオーラに身を包まれ、その姿も禍々しい異形の怪物に変わっている。そして一つ眼(キュクロプス)や火蜥蜴(サラマンドラ)といった怪物を指す名称。
どうやらこの異空間のどこかには青いオーラを纏った青の王将(キング)なるものが率いる団体が陣を張っており、両者はどちらかのキングが死ぬまで戦わなければならない。
うーん、大丈夫か、貴志祐介……と戸惑いを見せてしまったが、そこはやっぱり貴志作品。異世界に飛ばされてしまった謎と過去に位置づけられた現実での出来事を交互織り込まされた展開は極上の仕上がり。

そして、なんといってもこの本の一番の見せどころは戦闘描写である。
激しく陰惨な怪物同士の殺し合いと、研ぎ澄まされた頭脳戦は手に汗握る。
戦闘の割合はとても長丁場ではあるが、全く飽きさせない、むしろ徐々にヒートアップするのは貴志祐介の筆力あってこそだろう。
個人的にはラストはいまいち納得できない感はあったが、それでも貴志作品の風格は揺ぎ無い。


『エアーズ家の没落』 サラ・ウォーターズ(創元推理文庫)
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館を舞台にしたホラーは『レベッカ』や『シャイニング』『ねじの回転』など連想される作品は枚挙に暇がない。
もちろん、館でおそろしい怪奇現象が起きていくわけですが……。
基本的にはホラーを軸にしているようだが、ミステリーやサスペンスの要素も含んでいる。

こういう館のゴシック・ホラーは個人的にゾクゾクするほど好きである。
西洋の古めかしい館は美しくもどことなく不気味であり、見るだけでも惹きつけられる人も多いはず。
そんな館から繰り広げられるおぞましい出来事の数々、西洋の館好き、そしてホラー好きとくれば、もう雰囲気だけでも陶酔してしまう。ある意味ではこういった雰囲気を楽しむための小説なのかもしれない。
時代を感じる洋館を美麗なる描写力で書き綴られ、おどろおどろしい怪奇現象を絡ませる技巧は素晴らしい。
上下の二巻を通じてその美しき恐怖の渦に酔いしれるがいい! フハハッ!


『剣豪将軍義輝』 宮本昌孝
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室町幕府第十三代将軍・足利義輝を主人公にした剣豪小説。
足利義輝と言って、彼がどのような人物だったのか知る人はどれだけいるだろうか。名前すら知らない人もいるのかもしれない。
彼の最も有名なエピソードは松永久秀のクーデターによる壮絶な最期だろう。義輝は何本もの秘蔵の太刀を畳に刺し、刃こぼれしては新しい刀に替え襲いかかる刺客を次々と斬り殺すが衆寡敵せず討たれてしまった。かつて義輝は剣聖と呼ばれた上泉信綱や塚原卜伝に剣の指導を受けており、生粋の剣豪であったらしい。

この本では足利義輝を室町幕府の将軍としてではなく、一人の剣豪として描かれている。義輝の人物像もかっこよく、凛然たる風格、温かな物腰、そしてとてつもなくタフで強い。主人公らしい主人公っぷりがこれまたいい。文章を通して最期には刺客という刺客を屠りまくるであろうことを感じさせる迫力がひしひしと伝わってくる。
その他の登場人物もとても魅力的であり、その人物たちとの交流も面白く、ストーリーもテンポよく進んでいく。歴史に詳しくない人でも安心な親切な設計である。

これは、いいものだ……。

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いずき

Author:いずき
ミスカトニック大学で人類学を専攻している学生です。
這い寄る混沌に会いたい。

座右の銘:人生ライク・ア・ローリング・ストーン

ほしいもの:等身大ボイド人形

自慢できること:赤ん坊の頃のオルセン姉妹を見分けられること

好きな映画:タクシードライバー

好きなディーン:サムがピンチの時にいち早く駆けつけショットガンをぶっ放すディーン

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