あのいまいましいブリッジは? 

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「泣ける映画」について

たびたび、感動する映画について、「泣ける映画」と表現することがあります。
前々から僕はこれが疑問でした。
泣ける映画とはなんだろう? 泣くが為に映画を観ているのかね。

やや下品な言い方ですけれども、アダルト・ビデオについて「抜けるビデオ」なんて表現があります。
本質的なところでいうと、「泣ける映画」という表現は、この「抜けるビデオ」と同じようなものです。
つまり、映画を、自分を気持ち良くしてくれる道具として向き合っている。
「泣ける映画」であるから、映画館に足を運んだり、DVDを借りる。
画面と向き合いながら、涙を流して泣くことを待っている。それで、泣く。

僕にも感情を強く揺さぶられた映画は沢山あります。
ボロボロ涙を流したことはないけれど、心で泣いたことは数知れずです。
追憶して、おそらく最も外面的に感動が出てきた映画というのが、1931年の『フランケンシュタイン』でした。
一度「泣ける映画」とやらが話題になり、僕が『フランケンシュタイン』の名前をあげると笑われたことがあります。
観たことがないらしいので、根強く説明したけれど、それはおかしいと。何でですかね……。

『フランケンシュタイン』という映画は、ヘンリー・フランケンシュタイン博士の身勝手な科学的追求から生まれた人造人間の怪物の物語です。
その怪物は、盗んだ遺体と脳をつなぎ合わせて作られました。
大きな図体と、醜悪な外見、そして知的能力が優れない為に怪物として恐れられます。
博士のもとから逃げ出して、湖畔で遊ぶ無垢な少女と怪物は出会います。
少女は怪物に対して何の恐れも偏見も見せず、いっしょに遊ぶよう誘います。怪物は嬉しそうです。
少女は花びらを湖に投げて浮かべて、船に見立てる遊びをし、怪物もそれに付き合う。
怪物は「水面に投げる遊びなんだ」と、おそらく解釈し、少女を持ち上げて湖に投げつけてしまいました。
怪物としては悪意無き遊びのつもりでしたが、少女は溺死してしまいます。
村の人びとは溺死した少女の復讐の為に、松明を掲げ大挙して怪物を追い詰めます。
風車小屋の追い詰められた怪物は、何故自分は迫害されているのかわからず、ひどくうろたえます。
村人たちは小屋に火を放つ。燃え落ちる小屋諸共、怪物は死んでしまいました。
僕はどうしても怪物側に同情してしまい、少し泣いてしまいました。
僕はホラー映画が好きですので、クラシカルな映画を観てみようと、この作品に出会いました。
泣こうとして観たわけではありません。だけど、そういうものじゃない?
そんなに泣こうとして映画を観るものですか。

わりと前に、バラエティ番組で女性タレントの方が「エクソシストを観て泣いたことがある」と言っていました。
場内大爆笑でした。僕はなんだってそんなに笑う必要があるのかと思ったものです。
僕は『エクソシスト』という映画は大好きだけれど、泣いた覚えはありません。
だけれども、悪霊に取り憑かれた見ず知らずの少女の為に、命を賭して救おうと職務を遂行する神父の姿に感動したらいけないのでしょうか。
おそらく、ホラー映画の『エクソシスト』で泣くわけがない、それは一般的な感覚からずれているという考えのもと、皆笑ったのだろうと思う。
その後、女性タレントに「最近観た映画は?」と訊くと、『サイタマノラッパー』との答えが返ってきた。場内大爆笑。
良い映画なのにね……。

『フランケンシュタイン』で感動したことを言うと莫迦にされたこともあって、僕はそういう話題になると適当にお茶を濁している。
「~は泣ける映画らしいよ」ということを言われても、やや違和感を感じつつも流してはいる。
だけれども、映画の向き合い方としては不純のような気がしてなりません。
「泣ける映画」じゃなくて「泣いた映画」というのならわかるのだけれども。

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いずき

Author:いずき
ミスカトニック大学で人類学を専攻している学生です。
這い寄る混沌に会いたい。

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自慢できること:赤ん坊の頃のオルセン姉妹を見分けられること

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