あのいまいましいブリッジは? 

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ナイトクローラー

つーわけで『ナイトクローラー』です。映画です。今日は映画について書きます。
僕、ジェイク・ギレンホール大好きなんですよね。
そんでもって予告編の「『タクシードライバー』のトラヴィス再来!」という謳い文句。
こりゃ観るっきゃねえよってなもんです。

で、観ました。
とにかく怖かった。
話としては、ギレ様演じるルイス・ブルームが、事故現場や火事などを追い求めるフリーのパパラッチとしてガンバっていくお話。
ガンバってはいるんだけれど、そのガンバリがかなり怖いんですね。

思ったのが、トラヴィス的ではないということ。
デ・ニーロさん演じるトラヴィスは、元来狂っているわけではなく、歪んだ社会や孤独感、肥大化して自尊心によって生み出された存在という印象。
比べてナイトクローラーのギレ様は、元来狂った男として描かれています。
パパラッチとして大事なのは、とにかく良い画を撮ること。良い画って何? そりゃ悲惨な画ですよ。
悲惨な事故で犠牲者が出ているのにも関わらず、大破した車や、満身創痍の人をカメラで映してメディアに売って生計を立てる。
とある自家用機の事故で、五人亡くなった現場を撮った同業者のヒゲのおっさん(なんとビル・パクストン)が「五人死んだってよ、おれが一番乗りだ!」とか嬉しそうに言っていました。
道徳観? 倫理観? 何それな世界なので、やや良心からズレがある。
その世界に入り込んで徐々に狂っていく話かな……と思ったら違うんですね。
血まみれの事故犠牲者をカメラで捉えることへの良心の葛藤や、迷いがまったくない。
そりゃもう平然としてカメラを向ける。最初から馴染みすぎである。

良い画を撮ろうと励むギレ様。
「ちょいと遺体の位置が悪いな」と思ったのか、遺体を引きずってバッチシな場所に設置して撮ることは当たり前。
競争相手である同業者のバンに細工をして事故を起こすのなんて朝飯前。
僕は最初は励むギレ様を応援していましたよ。
ちっちゃなカメラとおんぼろの車で現場を追う駆け出しの頃、なかなかうまくいかなくて、同業者に莫迦にされたりして。
負けるなギレ様、張り切っていこうぜギレ様。
張り切りボーイとして日々奮励するギレ様は、過激な映像を撮るやり手として、メディアから一目置かれる存在となっていきます。
だけど、より良い画を撮ろうとするギレ様の行動はエスカレートしていきます。
それに乗じて、どんどん怖くなるんですね。身の毛がよだつとはまさにこのことよ。
怖いのが、どれもこれも、表情の無い表情で、淡々と仕事をこなしているということ。
犠牲者への同情なんて微塵も感じられません。ただ良い画を撮る為の材料としてしか思ってないであろうと予想できます。
「他人の<破滅>の瞬間に、カメラを持って現れる――」という、この映画のキャッチコピー。
彼は助けようとするわけでもなく、好奇心を持つのでもなく、ただ無表情にカメラで記録するだけなのです。

撮影のアシスタントとして雇われた若者が、ギレ様にこういったことを言います。
「あんたは人間をわかっていない。わかろうともしない」
おそらくギレ様にとって、人間に対する思いやりや、共感意識などは、無に等しいのでしょう。
あるように思ったとしても、それはポーズでしかない。
こちらに向けられた好意(らしきもの)も、それは打算的なものに過ぎない。

トラヴィスの場合、狂っていきましたが、人間らしい描写はありました。
初デートでポルノ映画に誘うような一般的な感覚からズレはあった。でも、その後ふられてきちんと傷心はしていましたし、
「おれはこれでいいのだろうか」と迷いがあり、先輩のおっさんにそれとなく相談をしてみたりもしていました。
友人も恋人もいないトラヴィスは、どこかしら人とのつながりを求めている節があります。
トラヴィスは世渡りベタで、孤独です。
孤独感、自尊心……それが自己顕示欲や憎しみに変り、暴走したのです。
『ナイトクローラー』のギレ様はそうではない。
そんなもの超越している。
友人も恋人もいなさそうだけど、必要とすらしていないでしょう。
メディアの波をうまく乗っていく能力や、コミュニケーション能力も心得ている世渡り上手。
それでもって善悪なんてなんのそのです。
ニーチェの唱えた「超人」という概念がありましたは、こいつはまさにそれでしょう。
そのあたり、ギレ様に似ているのは、トラヴィスよりも、同じくデ・ニーロさん演じた『キング・オブ・コメディ』のあいつです。
あいつのことはまたおいおい……。

さておき。
ギレ様、次の映画はボクサー役なんですか?
この映画だと頬がこけて不健康的であったのに、あまり無理してくださるな。
だけど楽しみだなー、ボクサーのギレ様。パンチパンチパンチ。必ず観ますよ。

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いずき

Author:いずき
ミスカトニック大学で人類学を専攻している学生です。
這い寄る混沌に会いたい。

座右の銘:人生ライク・ア・ローリング・ストーン

ほしいもの:等身大ボイド人形

自慢できること:赤ん坊の頃のオルセン姉妹を見分けられること

好きな映画:タクシードライバー

好きなディーン:サムがピンチの時にいち早く駆けつけショットガンをぶっ放すディーン

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